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サブコンとは?役割・仕事内容・ゼネコンとの違いを新人向けにわかりやすく解説

2025年12月19日
サブコンとは?役割・仕事内容・ゼネコンとの違いを新人向けにわかりやすく解説

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建設現場では「ゼネコン」「サブコン」「協力会社」など複数の役割があります。特にサブコンは建設初心者が混乱しやすい立場であり、設備・電気・内装など専門工事を担う重要ポジションです。

そこでこの記事では、サブコンの定義・役割・ゼネコンとの違い・専門工事の種類・現場での付き合い方まで体系的に解説します。施工管理の基礎理解の参考にしてみてください。

サブコンとは?立ち位置を初心者向けに解説

サブコンとは、「サブ・コントラクター(Sub Contractor)」の略で、建設工事における専門工事会社を指す言葉です。

国土交通省では、サブコンの役割を「設備、内装等、ひとまとまりの複数工種をマネジメント」することだと説明しており、建築物の施工全体を管理するゼネコン(総合建設業者)の指示のもと、電気・空調・衛生設備・消防設備・内装・通信などの専門工事を担当します。
(出典:国土交通省「適正な施工のための技術者の役割等の明確化」

特に、中〜大規模な建設プロジェクトは、1社だけでは完結せず、複数の専門分野が工程ごとに連携して進行します。そのため、サブコンは建設現場の専門技術部隊として、施工品質・安全管理・工程管理において重要な役割を担うのが特徴です。

建設(建築・土木)以外のサブコンの使われ方

「サブコン」は、建設業だけの言葉ではありません。語源が「Sub Contractor=元請に対して専門領域を請け負う会社」という意味であるため、以下の業界でも同様のニュアンスで使われています。

業界 サブコンの意味
製造業 部品製造・加工・組立を担うOEM企業
IT業界 システム開発・保守運用を請け負うSIerやSES企業
物流業界 配送・保守・倉庫オペレーションを分業する会社
イベント業界 音響・照明・映像・舞台設営などの専門業者

ただし、専門技術・資格・経験が必要である点や、元請(ゼネコン・メーカー)から依頼される点については共通しています。

なお建設業の場合には、建設業許可制度にて電気工事業・管工事業・消防施設工事業のように専門業種ごとに業種が29区分に細分化されています。この仕組みが、サブコン文化を明確に区別する基盤となっています。

出典1:国土交通省「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)
出典2:e-Gov法令検索「建設業法|別表第一」

ゼネコンやコンサルとの違い

サブコンを理解するうえで重要なのが、「ゼネコン」「設計事務所(コンサル)」との役割の違いを整理しておくことです。以下に、それぞれの役割の違いを整理しました。

立場 役割 主な担当領域
設計事務所・コンサル 企画・設計・監理 図面作成、設計監理、法規チェック
ゼネコン 現場統括・総合施工管理 工程管理、安全管理、品質管理
サブコン 専門工事施工 電気、空調、消防、衛生、内装、通信

基本的に、設計事務所・コンサルが設計した図面等をベースにゼネコンが施工を実施するという流れで工事が進みます。そのなかでもサブコンは、ゼネコンから委託を受けて工事を担当する専門職という立場が主な役割です。ゼネコンの監督下のもと、内装や設備関連の工事を実施します。

階層構造(一次・二次下請・協力会社の違い)

建設工事では、法律(建設業法)や契約条件にもづき、施工体制が階層構造になっています。現場で混乱しやすいポイントを整理しました。

施主
└──設計事務所・コンサル
└──元請(ゼネコン)
├──一次サブコン(電気・設備・消防・内装)
│   └──二次下請(職人・協力会社)
│   └──三次(必要に応じて)

└──メーカー・物流・検査機関

また、サブコンと関連する一次・二次下請け・協力会社は、次のように異なります。

区分 契約相手
一次サブコン ゼネコンと直接契約
二次下請 一次サブコンと契約
協力会社 特定の領域を請け負う技術会社であり、一次・二次サブコンなどと契約

なお、二次・三次下請けなどが出てくる場合には、発注者との再委託契約を交わす必要があります。サブコンの場合は、ひとつ上の立場であるゼネコンと契約するのが一般的です。

サブコンが担う専門工事の種類と仕事内容

サブコンは、建物の設備や機能部分を担う専門工事会社です。
建築の躯体工事や外構工事とは違い、電気・空調・消防・通信など、快適性・安全性・維持管理性に直結する領域を担当します。以下より、担当する主な専門工事の種類と仕事内容を紹介します。

電気設備工事(配線・弱電・通信・監視)

電気設備工事は、建物内の電力供給・配線・照明・通信を担当する工事です。設計図をもとに施工図を作成し、以下の分類に分けて電線ルート・容量計算・盤設置位置などを調整します。

工種分類

内容例

強電設備 分電盤、動力設備、照明、受変電設備
弱電設備 LAN、電話、Wi-Fi、防犯カメラ、放送設備

なお、電気設備は電気事業法・消防法の規定があるため、電気工事士・電気施工管理技士・消防設備士などの資格が必要です。

空調・衛生・設備工事(ダクト・排煙・冷暖房)

空調・衛生設備工事(管工事)では、サブコンとして次の建物の環境面を維持する設備を担当します。

  • 空調設備(PAC・GHP・チラー・熱源設備)
  • ダクト設備(排煙ダクト・厨房ダクト)
  • 給水・排水設備(給湯器・配管ルート設計)
  • トイレ・手洗い・排水トラップ設備
  • 給排気・換気設備(ロスナイ・全熱交換器)

特に近年の施設は、省エネ基準・ZEB・HEMS・BIMの施工図が必須化し、施工管理の際には空調計算・施工検証・現場調整といった会議が必須化しつつあります。
(参考:建築研究所「建築物のエネルギー消費性能に関する技術情報」

消防・防災設備工事

消防設備工事は、火災の予防・検知・消火システムに関連する法律(消防法・建築基準法)にもとづき、以下のような設備を担当します。

分類

設備例

消火 スプリンクラー、泡消火設備、消火栓
警報 火災報知器、非常放送、誘導灯
避難 排煙設備、避難ハッチ、防火扉制御設備

特に、消防・防災設備は設置後の性能検査・維持管理報告制度が義務化されています。
(出典:総務省消防庁「消防用設備等には定期点検が必要です。」

内装・仕上げ・機械・プラントなど

サブコンは設備工事だけでなく、以下の工種に対応する会社も存在します。

  • 内装・仕上げ工事(軽天・ボード・天井仕上)
  • 機械器具設置工事
  • プラント設備工事
  • 塗装、防水、構造補強工事(耐震補強など)

特に工場・半導体・化学プラントなど危険性や品質への対応が求められる現場では、高度な知識・溶接技術・安全基準(酸素濃度管理・危険物法令)が求められます。

サブコン大手|売上一覧・三大サブコンとは?

国内には複数のサブコンの会社がありますが、そのなかでも売上高が高い会社を業種別(電気・空調系をメイン)に整理しました。

会社名 売上高 業種 出典
きんでん 7,420億円
(2025年)
電気系 公式サイト:業績の推移
関電工 6,718億円
(2025年)
電気系 公式サイト:数字で知る関電工
クラフティア
(旧:九電工)
4,740億円
(2024年時点)
電気系 公式サイト:業績ハイライト
高砂熱学工業 3,817億円
(2025年)
空調系 公式サイト:業績ハイライト
トーエネック 2,710億円

(2024年時点)

電気系 公式サイト:業績推移
ユアテック 2,670億円

(2025年)

電気系 公式サイト:業績の推移
大気社 2,762億円
(2025年)
空調系 公式サイト:業績推移
ダイダン 2,627億円

(2024年時点)

空調系 公式サイト:業績の推移
三機工業 2,531億円
(2025年)
空調系 公式サイト:財務ハイライト
中電工 2,218億円

(2024年時点)

電気系 公式サイト:財務・業績情報

※1 IR情報として公開されている「連結売上高」をベースに自社調べにて
※2 2025年11月21日時点の情報

つまり、2025年時点での三大サブコンは「きんでん」「関電工」「クラフティア(旧:九電工)」の3社です。特に大手サブコンは、高度な技術力や安定した施工管理の実績をもつことから、ゼネコンや官公庁からは「品質確保できる信頼性の高いパートナー」として選ばれやすい傾向があります。

現場でのサブコンとの付き合い方

ゼネコンや発注担当者にとって、サブコンとの関係構築は現場運営の要です。
設備工事は建物の性能・安全性・維持管理に直結し、工程も建築・内装と密接に関わるため、スムーズなコミュニケーション・書類整理・工程調整が欠かせません。
ここでは、現場初心者がつまずきやすい実務で役立つ「付き合い方のポイント」を解説します。

コミュニケーションの基本

サブコンとの良好な関係を構築できれば、現場の円滑な運営につながります。特に建設業界では、以下を意識しましょう。

  • 結論から伝える
  • 期限と形式を明確化する
  • 担当を固定する
  • 記録に残す

一方で、指示を抽象的に済ませると、工事トラブルや手戻りの原因になります。正しく具体的な情報を届けられる関係の構築が重要です。

図面・書類(施工計画・写真・承認図・完了検査)のやり取り

サブコンとの書類やり取りは、法令遵守・品質管理・引き渡し後の維持管理対応につながるため、正確さが求められます。
情報共有のミスや資料の紛失をなくすためにも、クラウド共有環境の構築や、承認フローの明確化を進めることが大切です。

サブコンについて理解するメリット

ここでは、特に現場経験が浅い方に向けて、サブコンについて理解するメリットを紹介します。

専門性が身につく

サブコンの役割や仕事内容を理解すれば、施工管理に必要な次の専門知識が自然と身に付きます。

  • 電気・空調・衛生設備の基本構造
  • 消防・通信・制御などの建物機能
  • 建築基準法・消防法・電気事業法などの関連法規
  • 図面(施工図・系統図・機器配置)の読み方
  • 試験・性能確認・検査工程の内容

内容を理解できれば、関係者との円滑なコミュニケーションを実現しやすくなるのはもちろん、品質チェック等の精度を高めやすくなるのがメリットです。

キャリアアップ・独立につながる

サブコン領域は専門性が求められるため、現場経験者や技術者は市場価値が高く、キャリアの選択肢が広いのが特徴です。以下にキャリアパターンの例をまとめました。

選択肢
施工管理として昇格 現場代理人、監理技術者、主任技術者
資格取得で専門性強化 施工管理技士、電気工事士、消防設備士
メーカー・設計職に転職 空調設備メーカー、電材メーカー、設計事務所
フリーランス・個人事業化 試験業務、設備メンテ、施工請負の受注
コンサル領域へ進出 積算・VE提案、品質監査、BIMコーディネート

特に建設業界は、法令で技術者資格者が必要であるほか、少子高齢化の影響で技能者不足も起きていることから、人材市場が右肩上がりになっています。

現場DXで変わるサブコン業務|IT活用・ミライ工事管理の役割

サブコンやゼネコンが対応する建設現場では、写真管理・点検表・報告書作成・協力会社との連絡など、多くの業務が今も紙・FAX・Excelに依存しています。

しかし2025年現在、国土交通省も「施工管理DX」「電子データ保存」「クラウド連携」を推奨しており、IT活用はコスト削減だけでなく法令対応・品質向上の観点でも重要になっています。

そのようななか、DX化のスモールスタートにおすすめなのが、現場スケジュールや人員配置、資料共有をまとめてDX化できる施工管理アプリ 「ミライ工事管理です。

スマホを用いた写真台帳の作成・管理・編集のほか、協力会社との共有やビデオ通話にも対応しています。Excelベースの自社ひな形も反映できる便利なアプリですので、今すぐDX化を始めたい方は、無料から導入が可能な「ミライ工事管理」を検討してみてはいかがでしょうか。

iOSユーザーはこちら>>
Androidユーザーはこちら>>
ミライ工事管理について詳しくはこちら>>

まとめ|サブコンの役割を理解すると現場が動き出す

サブコンの役割や専門性を理解すれば、現場調整・書類対応・工程管理の精度が向上し、結果として「ムダな手戻り」「コミュニケーションロス」「追加コスト」を防げます。
現場は人・工程・情報で動きます。だからこそ、サブコンを正しく理解し、協働できる体制づくりが重要であるため、工事業務に携わる際には、ぜひ本記事で紹介した知識を活用してみてください。

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