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遠隔臨場とは?国交省が推進する新しい現場監理のシステムや仕組みを解説

2025年11月26日
遠隔臨場とは?

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建設現場での立会や段階確認について、「現場が遠くて移動だけで時間がかかる」「立会のために数時間拘束されることが多い」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような問題を解決できると注目を集めているのが「遠隔臨場」です。

この記事では、遠隔臨場の仕組みやメリット・デメリット、実施手順までわかりやすく解説します。現場のDX化を実現する参考にしてみてください。

遠隔臨場とは?

遠隔臨場とは、発注者・監督者が現場に直接おもむくことなく、カメラ・通信機器を通じてリアルタイムで現場の「段階確認」「材料確認」「立会」を行う方法です。
たとえば、受注者側がヘルメット型のウェアラブルカメラを装着し、その映像を発注者が事務所で見ながら「この鉄筋の型番・配置で合っていますか?」と確認する。こうしたやりとりが可能になります。

直接現場で対面せずに検査を実施できるため、移動時間を省くほか、待機時間を減らす、映像化により記録しやすくなるといった効果が期待されます。

国交省による遠隔臨場推進の背景

現在、政府・発注者側から遠隔臨場を強く推進されています。
(出典:国土交通省『建設現場における「遠隔臨場」を本格的に実施します(令和4年3月29日)』

その背景には、建設業界が長年かかえる、以下のような構造的な課題があります。

  • 人手不足・熟練技術者の減少
  • 現場巡回・立会・確認という「移動」「待機」の非効率性
  • ICT(情報通信技術)導入が他産業に比べて遅れている

このような課題を解決するひとつの建設DX化の方法として、国土交通省は「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)令和4年3月」を策定し、公共工事における段階確認・材料確認・立会の一部を遠隔で実施できる仕組みを提示しています。

制度的にも「遠隔臨場」が選択肢になりつつあることから、受注者となる企業側でも導入が進行しつつあります。

遠隔臨場に必要な機材・環境一覧

遠隔臨場の環境を整えるためには、次のような機材・設備等が必要です。

項目 内容 ポイント
撮影機器 ウェアラブルカメラ・360度カメラ・スマホ等 現場で撮りやすい機材を選ぶ
通信・配信 Web会議+クラウド+通信回線 地下・山間部など通信弱エリアまたは電波の弱い場所は要確認
記録管理 映像保管、ログ管理 紙だけでなくデジタル保存をすることで見返しが可能
現場環境 電源・通信確認・機材保管 機材故障・電池切れなど実務リスクに注意

たとえば、Web会議の画面を関係者一同で共有しつつ、受注者が持つ360度カメラを通じて、検査等の対象箇所を歩き回ります。その際に確認したいポイントを発注者や検査官が指示し、詳細な映像を確認する。そして検査が問題ないかを判断し、検査チェックや指摘項目の整理を行うという流れで遠隔臨場が進められます。

現場状況によって必要な機材が変化する点に注意しつつ、環境を整えていくのが理想です。

遠隔臨場の仕組みを導入するメリット

遠隔臨場の仕組みを導入すれば、業務効率化はもちろん、安全性や品質アップといったメリットがあります。

【メリット1】業務効率化

遠隔臨場を取り入れると、以下のような効率改善が期待できます。

  • 移動・立会のための往復時間が削減される
  • 現場到着後の手待ち時間が少なくなる
  • 映像・音声による確認記録が簡単になる
  • 紙ベースの二度手間を減らせる

これまでは、関係者一同が現場に集合し、立会移動をしながらチェックをしていくのが一般でした。一方で、遠隔臨場の仕組みを整えれば、撮影者1人が現場を回るだけで、同等のチェックができるようになります。

撮影者を除く受注者・発注者・検査官は、各人の事務所にいながら、現地状況を確認できるため、大幅なコストカットを期待できます。

【メリット2】安全性・品質向上

遠隔臨場の仕組みが整えば、現場の安全性・品質を高めやすいというメリットもあります。

  • 危険な現場や遠隔地への出張が減る(ケガ防止)
  • ライブ映像で指示ができるため、手戻り・施工ミスを早期発見しやすい
  • 映像・音声データを保存できるため、後日確認・共有が容易になる

現場を複数名で見てまわる場合、危険エリアへの立ち入りが必要になるケースも少なくありません。それによる事故のリスクもありました。一方で遠隔臨場の環境が整えば、現場をおもむく人数を少数名の撮影班に絞り込めます。

また、撮影したデータを保管することで、確認内容の証拠を残せる点も品質アップにつながります。その場限りの確認にならないため、工事の手戻りや見逃しを最小限に抑えられるのが魅力です。

遠隔臨場の導入時に注意したいデメリット・課題

遠隔臨場にはDX化を実現できる魅力がある一方で、通信トラブルやIT対応力に関するデメリットも存在します。解決策も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

【デメリット1】通信・機材トラブル

遠隔臨場で頻出する課題のひとつが通信・機材関連のトラブルです。

  • トンネル・地下・山間部など電波が弱い現場では映像・音声が途切れやすい
  • カメラの画質・ズーム性能・手ぶれなどによって、細かな確認に影響が出る

たとえば、Web会議ツールなどを利用して遠隔臨場を実施したものの、通信環境が悪いせいで、現地の映像が映らない、型番・刻印文字が見えないといったトラブルが起こるかもしれません。

こうしたトラブルを避けるには、導入前に通信テスト、機材テストを十分行い、通信の予備回線や機材交換体制も検討すべきです。

【デメリット2】現場側のIT対応力

もうひとつは、現場サイドの「IT対応力」に関する課題です。

  • 作業員・監督者が機材やツールの操作に慣れていないと、導入効果が出にくい
  • 映像データの保存・共有・活用ルールを整備しないと「使われない」
  • 新しい仕組みに対する現場抵抗が障壁になる場合がある

特に、初めてDX化に取り組む企業の場合、上記の壁にぶつかるケースもあります。そのため、導入前に「操作研修」「マニュアル整備」「責任体制の明確化」を行うことが重要です。

遠隔臨場の実施手順(現場導入フロー)

遠隔臨場を現場に定着させつつ、業務効率化を実現するためには、段階的な導入〜実施の手順が不可欠です。
参考として、「建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)」にもとづく失敗を回避しやすくなる導入フローをまとめました。

ステップ 主な作業内容 関係者
STEP1
対象工事の確認
通信環境や現場条件を確認し、適用可能な工種(段階確認・材料確認・立会)を選定する 発注者・受注者
STEP2
施工計画書の作成
以下を施工計画書に明記する
・適用種別(段階・材料・立会)
・使用機器(カメラ・会議システム)
・実施方法
受注者・監督職員
STEP3
機器の準備・通信確認
ウェアラブルカメラやWeb会議ツールを準備し、現地で通信速度を確認する 現場代理人・情報システム担当
STEP4
事前調整・依頼書提出
段階確認報告書・立会依頼書を監督職員に提出し、実施箇所や時間を事前協議する 受注者・監督職員
STEP5
遠隔臨場の実施
黒板などで「工事名」「設計値」「測定値」等を表示し、映像・音声で報告する 現場技術員・監督職員
STEP6
記録・保存・報告
確認の際には画面キャプチャを保存し、ASP等で提出する(基本的には、映像は保存不要) 現場技術員
STEP7
効果検証・改善
所要時間・通信品質・確認精度を分析し、更なる品質アップに取り組む 受発注者・管理部門

失敗のリスクを避けるためにも、まずは小規模現場で試行運用し、通信トラブルや運用課題を抽出するのがおすすめです。なお実施要領にて、費用は「技術管理費」に計上可能(カメラ・通信費・ライセンス料など)とあるため、新技術の提案としても最適です。

提供されている遠隔臨場アプリ・システム例

遠隔臨場は、ZoomやGoogle MeetといったWeb会議ツールだけでなく、アプリやシステムとして専用のものが提供されています。以下にその一例をまとめました。

アプリ・システム 料金 特徴
現場クラウド 遠隔臨場 有料
※現場クラウド Oneのサービスの遠隔臨場機能オプションの契約が必須
スマートフォンで現場の様子をPCへ配信
遠隔臨場 SiteLive 有料
※「遠隔臨場 SiteLive」および「KSデータバンク」のクラウドサービス契約(有料)が必要
監督者はWebアプリで参加が可能

基本的に提供されているアプリやシステムは有料です。費用を抑えながら、機材や環境を自身で揃える予定なら「ZoomやGoogle Meet」、機能が集約されたアプリを用い、スマホひとつで遠隔臨場に対応したいなら「有料アプリ」を選ぶのが良いでしょう。

遠隔臨場の報告・記録を効率化する方法

遠隔臨場では、映像や写真で確認を行うだけでなく、「どのように記録を残すか」が非常に重要です。
ここでは、報告業務の効率化に役立つ2つの方法を紹介します。

【方法1】テンプレート化された報告書を利用

出典:国土交通省 関東地方整備局「遠隔臨場に関する基礎調査様式(Excel)」

報告業務を効率化したいなら、遠隔臨場専用の報告書テンプレートを準備するのが効果的です。

たとえば、国土交通省の関東地方整備局では、上の画像である「遠隔臨場に関する基礎調査様式」のExcelデータを無料で配布しています。条件に合う工事の場合、そのまま適用できるため、報告や記録の品質を一定に保ちやすくなります。

【方法2】施工管理アプリで実施記録や報告書作成を効率化

前述した、テンプレートや報告書だけでなく、遠隔臨場で用いる資料すべてを効率よく共有・作成したい場合には、施工管理アプリの「ミライ工事管理」を導入するのがおすすめです。

ミライ工事管理はクラウドベースのデータ共有が可能であり、遠隔臨場の資料共有としても役立ちます。さらには現場の工程管理やスケジュール管理、台帳作成なども実施できるため、工事現場をワンストップで管理したいユーザーにおすすめです。

無料からアプリを導入できるため、まずは小規模な工事現場などで実施する遠隔臨場に活用してみてはいかがでしょうか。

ミライ工事管理の公式サイトはこちら

遠隔臨場は「新しい標準監理」へ

遠隔臨場は、単なる「映像確認ツール」ではなく、国交省が推進する新しい標準監理の仕組みです。今後、公共工事をはじめとする現場管理の基本的なスタイルとして、全国的に定着していくことが確実視されています。
すでに「建設現場における遠隔臨場 取組事例集」が公開されるなど、多くの工事業務で遠隔臨場が活用されています。建設DX化に取り組みたいと考えている方は、この機会に遠隔臨場の実現に着手してみてはいかがでしょうか。
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