作業手順書施工管理アプリ現場管理 作業手順書とは?目的・書き方・テンプレートを施工業者向けにわかりやすく解説 2025年11月21日 この記事をシェアする 建設・設備・製造などの現場では、「作業手順書」の整備が安全と品質を守ることにつながります。しかし、「何をどこまで書けばいいのか」「Excelで十分なのか」「誰がつくるべきか」など、迷う担当者も少なくありません。 そこでこの記事では、施工業者向けに作業手順書の概要や目的、書き方、Excelテンプレート例をわかりやすく解説します。現場で実際によくあるミスや改善策も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 作業手順書とは? 作業手順書とは、現場で働く人が「安全に・正しく・同じ手順で作業できるようにするための設計図」です。 たとえば建設や製造の現場では、人や環境が変わっても、事故なく一定の品質を保つことが求められます。そこで、作業内容や順序、必要な道具、注意点を具体的にまとめたのが作業手順書です。 実際、厚生労働省も「ムリ・ムダ・ムラ」をなくし、安全を確保するために整備を推奨しています。また実際に、作成要領なども提供されています。(出典:厚生労働省「作業手順書作成要領及び事例(PDF)」) 新人教育や作業改善にも使えることから、作業手順書は現場を支える「安全と効率の教科書」だと言えます。 作業手順書の主な目的 作業手順書の主な目的は、安全・品質・教育の3つを守ることにあります。以下にそれぞれの詳しい目的を整理しました。 安全面:作業の流れを統一することでヒューマンエラーを防ぐ → 労働災害リスクの削減 品質面:誰が作業しても同じ基準で仕上がるようにする → ミスやばらつきを防止する 教育面:新人や外注スタッフへの指導資料として活用する → 属人化を防ぐ 以上より、作業手順書は現場の安全と効率を両立させる重要な規則のようなものです。形式的に設けるだけではなく、作成した作業手順書を関係者に正しく伝えることも欠かせません。 作業手順書に記載すべき基本項目一覧 作業手順書に記載する内容は、単に「手順を並べる」だけではなく、現場の安全性・再現性・教育効果を高めるための項目を整理することが大切です。 以下に、厚生労働省の作成要領でも説明されている必須項目を整理しました。 項目 内容 作業名・分類番号 作業の分類(大・中・小分類)を明確化する 作業の目的・範囲 どこまでの工程を対象とするか明記する 人員配置 作業に必要な人数・役割を記載する 必要な資格・免許 作業に必要なスキル・資格を列挙する 使用する用具・保護具 使用機材・安全具を一覧化する 作業手順(工程) 作業の流れを番号付きで具体化する 安全の急所(リスクポイント) ヒヤリ・ハット事例から学んだ注意点を記載する 過去の事故・災害履歴 教訓を共有して再発防止に努める 教育・確認記録 作業者が内容を理解したかわかる項目を用意する(チェックリストや記名など) 改訂履歴 定期的な見直し・改定の記録を残す たとえば、各手順には「目的→方法→注意点」の3要素を入れること、そして書き方は誰が読んでも理解できる「中学生でも読める文章」を意識することが大切です。 このように作業手順書は、現場で実際に使われる手順書に仕上げることが重要です。特に建設や介護などリスクの高い業種では、過去の事故情報やヒヤリ・ハットを反映した更新が安全文化の定着につながります。 わかりやすい・見やすい作業手順書の書き方・作り方 ここでは、作業手順書をわかりやすく、そして見やすくするための書き方や作り方のコツを4つのステップに分けて紹介します。 【ステップ1】目的を明確にする まず「なぜこの作業を行うのか」「どんな成果を得たいのか」を明確にしましょう。 ここで重要なのが、作業構成の認識です。現場を観察し、どのような作業が発生しているかを把握したうえで、次のように目的と範囲を整理していきます。 「誰が」「何のために」行う作業かを1文で書く 成否・安全・やりやすさを意識して原案をつくる 目的と成果をセットで記載する (例:「転倒防止のための移乗介助」「5分以内で完了する段取り」など) 関連法令(労働安全衛生法など)を明記する 【ステップ2】作業工程をタスクごとに分ける 次に、作業全体を観察して「どの順番で・誰が・何を行うか」を明確にしましょう。 ここで行うのが作業の分解です。次のように、工程を大分類(作業全体)→中分類(工程単位)→小分類(具体的動作)に分けて整理します。 分類 例(建設現場) 大分類 足場組立作業 中分類 支柱設置 小分類 水平確認・ボルト固定 なお、この整理段階では作業を意識しやすいように、各工程に「目的」「注意点」をセットで書くことが大切です。またタスクは読みやすいように「1行動=1手順」で短く具体的に書きましょう。 【ステップ3】数値と写真を入れて明確化する 作業手順書の全体構成を準備できたら、ここからは各項目の内容を「見える化」していきます。 たとえば次のように、文章だけでは理解しにくい部分を、数値・写真・図解で補うことで、作業の正確性と再現性が大きく高まります。 「〇mm」「〇kg」「〇℃」「〇分」など、数値を明記する Before・Afterの写真を入れ、「良い例」「悪い例」を対比できるようにする 危険箇所(手を挟む・転倒しやすいなど)を赤枠・警告マークで強調する 表記や色、イメージを意識するだけで、瞬時に理解できる作業手順書を用意できます。文章だけの手順書だと、読み飛ばし等があるかもしれないため、視覚的に理解しやすい工夫を凝らしましょう。 【ステップ4】改訂・共有を前提に作成する 最後に重要なのが、「つくったら終わり」にしないことです。 手順書は常に現場に合わせて更新される「生きた資料」であるべきです。参考として、完成後の動きを整理しました。 決裁ルールを設定して、改訂時には責任者の承認を得る 教育・訓練を実施して、作業者が内容を理解した証拠(署名や教育記録)を残す 維持・更新を意識し、用具・工具・作業環境が変わった際はすぐに改訂する なお、すべての関係者に情報が行き渡るように、クラウド共有ツールを活用するのがおすすめです。 作業手順書テンプレート(Excel例) 出典:厚生労働省のテンプレートより抜粋(後述) 作業手順書を自社用に作成したい方は、厚生労働省が配布しているExcelテンプレートをダウンロードして作成をスタートするのがおすすめです。(参考:厚生労働省「作業手順書(例1)」) なお、テンプレートを用いる場合は、表上側にある「誰がおこなうか」「工具」などで用いるA~F、ア~カなどの項目を使うとスッキリまとめやすくなります。 Excelテンプレートのなかには、記入例も用意されているため、ぜひ安全や品質維持が必要な作業の手順をまとめてみてください。 作業手順書の準備・利用でよくある失敗と対策 作業手順書をせっかく作成しても、「現場で使われない」「更新されない」「ミスが減らない」といった悩みは、多くの企業に共通しています。 ここでは、作業手順書の準備・運用でよくある4つの失敗と、それぞれの対策を解説します。 内容が抽象的で使われない 作業手順書の内容が「適切に」「慎重に」など抽象的だと、現場での判断基準があいまいになり、結局使われなくなります。 特に新人や応援スタッフは解釈に迷い、誤作業やヒューマンエラーの原因になります。誰が見ても同じ行動ができるように、数値・写真・手順順序を具体的に示すことが重要です。 各人がバラバラのデータを使う 作業手順書が個人のパソコンや紙で管理されていると、最新版が誰のものかわからず、誤った情報をもとに作業してしまう危険があります。 特に、部署ごとに異なる書式を使うケースでは、教育・監査の混乱を招く恐れがあります。 関係者全員が最新の情報を閲覧できるようにするためにも、共有フォルダやクラウド管理に統一し、常に最新データを全員が参照できる状態を保ちましょう。 手順が複雑すぎる 1つの手順に複数の動作が含まれていたり、文章量が多すぎると、現場では読むこと自体が負担になり、結局「勘と経験」で作業してしまいます。特に新人には理解が難しく、教育効果も下がります。 そのため、手順は1タスク=1動作で整理することが大切です。また、図やチェックリストを併用して、誰でも再現できる形にシンプル化しましょう。 書類提出が遅れる 作業報告や点検記録などの提出が遅れるのは、手書き管理や複雑な承認ルートが原因です。記入ミスや紛失も発生しやすく、管理者の確認も遅れがちになります。 これを防ぐためには、スマホやタブレットで入力できるデジタル報告フォームを導入し、「提出までが作業」と明確に定義することが有効です。自動集計により報告の効率も大幅に向上します。 作業手順書の管理・共有を効率化する方法 作業手順書を作っても、更新や共有の仕組みが整っていないと、現場で使われなくなってしまいます。特に複数の担当者が関わる場合は、「誰が最新の手順書を持っているのかわからない」「古い手順のまま作業してしまう」といったミスが発生しがちです。 そこで以下に、管理や共有を効率化する方法をまとめました。 項目 内容 クラウドで一元管理 GoogleドライブやTeamsなどを利用し、最新版のみを参照できる仕組みにする。 バージョン管理のルール化 更新日時・改訂者・変更理由を明記して、改訂履歴を追えるようにする。 権限設定の明確化 編集・閲覧権限を分け、誤更新や無断削除を防ぐ。 ただし、上記すべてを整備するのは簡単ではありません。もし手間なく効率化を進めたいのなら、後述する「ミライ工事管理」のような、クラウド管理アプリを導入するのがおすすめです。 作業手順書の共有をミライ工事管理で効率化しよう ここまで見てきたように、作業手順書はつくって終わりではなく、「更新」「共有」「現場への浸透」が重要です。 しかし実際には、「紙での共有に時間がかかる」「Excelでの管理が煩雑」「現場と事務でデータがズレる」といった課題を抱える企業が少なくありません。そんな悩みを解決できるのが、建設DXアプリの「ミライ工事管理」です。 ミライ工事管理を使えば、作業手順書や点検表、KY指示書などをスマホやPCで作成・共有・報告まで完結できます。クラウド上でデータを一元管理できるため、最新版の手順書をいつでもどこでも閲覧でき、更新履歴も自動で残ります。さらには、Excelデータを読み込んで、アプリ内で作成・管理することも可能です。 無料から利用できるアプリですので、ダウンロードして自社が求めている機能が揃っているのかを確認してみてはいかがでしょうか。 iOSユーザーはこちら>> Androidユーザーはこちら>> ミライ工事について詳しくチェックする>> この記事をシェアする ミライ工事管理の詳細はこちら
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