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工事安全衛生計画書とは?建設現場での必要な内容や書き方・記入例を解説

2026年1月22日

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建設現場で「工事安全衛生計画書を出してください」と言われて、慌てて作成した経験はないでしょうか。この書類は単なる提出物ではなく、現場で事故を防ぐための「設計図」だと言えます。

そこでこの記事では、工事安全衛生計画書の意味・書き方・記入例までを実務目線でわかりやすく解説します。「書類が多すぎて大変…」という方は、本記事を参考に、今の管理方法が適切かチェックしてみてください。

建設現場で用いる「工事安全衛生計画書」とは?

工事安全衛生計画書とは、建設工事においてどんな危険があり、どう防ぐのかを事前にまとめた安全管理の書類です。工事の際に用いる「安全書類(グリーンファイル)」のひとつであり、元請・下請が同じ安全認識を持つために使用されます。

まずは工事安全衛生計画書の概要から見ていきましょう。

工事安全衛生計画書を作成する目的

工事安全衛生計画書を作成・共有する目的は、労働災害を未然に防ぐことです。たとえば、建設業は全産業のなかでも死亡災害が最も多く、令和6年度においては746名が死亡しています。また、死傷者を含めると13万5,718名であり、その多くが転倒、動作の反動、墜落・転落などです。

こうした事故に対して、起きてから対応するのではなく、起きる前に防ぐために使用するのが特徴です。「危険作業と対策を全員で共有する」「元請が下請の安全管理体制を確認できる」といった効果を期待できるため、工事現場の共通資料として作成しなければなりません。

(出典:厚生労働省「令和6年の労働災害発生状況を公表(令和7年5月30日公開)」

計画書が建設現場で重要視されている理由

建設現場では複数の会社・職種が同時に作業するため、工事安全衛生計画書を通じて「誰が・いつ・どんな危険にさらされるのか」を事前に整理する必要があります。実際、国土技術研究センターが公開している「公共建設工事の事故発生の傾向と事故要因の分析」では、安全管理体制と施工計画の欠陥が、事故要因につながりやすいと報告されています。

そのため、工事安全衛生計画書を活用すれば、危険予知や作業員のチェックに役立つ以下のルール化が可能です。

  • KY活動(危険予知)
  • 安全朝礼
  • 元請の安全パトロール

危険の周知はもちろん、作業員の体調チェックなどを実施しやすくなるため、「現場の安全文化」を支える書類として重要視されています。

工事安全衛生計画書と年間安全衛生計画書の違い

工事安全衛生計画書と年間安全衛生計画書は、似た名前ですがそれぞれ役割が違います。

書類 対象 目的
工事安全衛生計画書 工事ごと その現場専用のリスクと対策
年間安全衛生計画書 会社全体 年間の安全方針・体制

出典:厚生労働省「年間安全衛生管理計画を作成しましょう!」

建設工事の場合には「工事安全衛生計画書」を用います。準備する書類に気を付けましょう。

工事安全衛生計画書は作成義務がある?

結論から言うと、工事安全衛生計画書そのものを作成しなければならないと明記した法律条文はありません。しかし実務では、ほぼすべての建設現場で「提出必須書類」として扱われています。なぜなら、労働安全衛生法により、元請には下請を含めた安全管理責任が課されているためです。

ここでは、義務に関する基本知識をわかりやすく解説します。

法律上の「義務」と「実務上の必須書類」の違い

工事安全衛生計画書の作成は義務として明記されているわけではありませんが、実務で欠かせない書類である点に注意が必要です。

たとえば、労働安全衛生法の第29条(元方事業者の講ずべき措置等)および第30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)では、元請は下請の安全を含めて「作業の調整・指示・危険防止措置」を行う義務があると定められています。

つまり、この条件を満たすためには、以下の内容をまとめた工事安全衛生計画書での対応が欠かせません。

  • どんな作業をするのか
  • どんな危険があるのか
  • どう対策するのか

義務ではないけれど、つくらなければ安全配慮の条件を満たせないため、結果的に義務に近い形で作成が必要です。

元請・下請それぞれの立場での扱い

工事安全衛生計画書の取り扱いは、自身の立場によって次のように異なります。

立場 役割
元請 下請の計画内容を確認・承認し、全体の安全を統括
下請 自社が行う作業について計画書を作成し提出

つまり、下請(サブコンなど)が書類を作成し、元請(ゼネコンなど)がまとめるという関係が成り立ちます。近年では、未提出だと工事現場に入場できないケースがあるほか、是正措置(ペナルティ)を受けるケースもあるため、まずは受注した案件で作成が必要なのかをチェックしましょう。

工事安全衛生計画書を出さないとどうなる?

工事安全衛生計画書を提出しない場合、現場への入場停止や是正指示(ペナルティ)を受ける可能性があり、提出が確認できるまで作業に入れません。

なかでも元請は、労働安全衛生法により下請を含めた安全管理責任があります。そのため、計画書がない業者を現場に入れること自体が違反リスクになります。

さらに、労働基準監督署の監督や元請の安全パトロールで未整備が発覚すると、次のようなトラブルにつながるケースもあります。

  • 是正勧告
  • 再提出
  • 工期遅延
  • 契約上の評価低下

将来的なリスクを避けるためにも、工事安全衛生計画書は確実に準備しましょう。

工事安全衛生計画書に記載する内容と書き方の例

工事安全衛生計画書について、法律で様式が定められているわけではありません。ただし、現在一般的に用いられているテンプレートが全国建設業協会の「全建統一様式第6号(有料)」です。

また、厚生労働省では記入例として「
工事安全衛生計画書(全建統一様式第6号)」のPDFデータを公開しています。

ここでは、上記のデータをもとに、書類の枠外と枠内に書く情報をわかりやすく解説します。

計画書の枠外に書く内容(工事名称・工期・会社情報など)

工事安全衛生計画書の枠外には、「この計画書がどの現場・どの会社のものか」を特定する情報を記載します。

  • 事業所の名称
  • 元請の所長名
  • 自社(下請)の会社名
  • 自社の現場代理人(責任者)氏名・押印
  • 作成日

記載ミスがあると差し戻しの原因になるため、工事プロジェクトごとに過去データをそのままコピペで流用するのではなく、白紙の状態から書き込むことをおすすめします。

計画書の枠内に書く内容

工事安全衛生計画書の枠内は「安全対策の中身」を書くエリアです。以下のポイントをひとつずつ解説します。

  • 工事安全衛生方針
  • 工事安全衛生目標
  • 工種・工種別工事期間
  • 資機材・保護具・資格の区分/その種類
  • 日常の安全衛生活動
  • 危険性又は有害性の特定
  • リスクの見積もり
  • リスク低減措置内容の検討
  • 担当者・再下請会社の関係者の職名・氏名・会社名等
  • 元請工事業者への提出書類一覧

工事安全衛生方針

工事安全衛生方針は、この現場で大切にする安全の考え方を書きます。「安全最優先」「KY活動徹底」など抽象的でも構いませんが、現場で守れる内容にしましょう。

【記入例】

  • 作業前の指差し呼称を必ず実施する
  • 5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を徹底する
  • 無理な工程短縮は行わない

工事安全衛生目標

工事安全衛生目標は、工事プロジェクトで達成する目標を記載する欄です。数値化できる形でまとめましょう。

【記入例】

  • 死傷者数0件を達成する
  • ヘルメット着用率100%を達成する
  • 安全朝礼の全員参加を実現する

工種・工種別工事期間

工種・工種別工事期間の項目には、どの作業を、いつ行うのかを整理します。左の欄に工種を記載し、右の欄には期間をガントチャート形式で記載しましょう。

【記入例】

工種 期間
足場組立 6/1~6/5
鉄筋工事 6/6~6/20
型枠工事 6/21~7/5

資機材・保護具・資格の区分/その種類

資機材・保護具・資格の区分/その種類の項目には、「何を使い、誰が作業できるか」を記載しましょう。無資格作業は違法であるため、誰が資格者なのかを正しく記載してください。

【記入例】

  • 使用機械設備:高所作業車、バックホウ
  • 使用機器・工具:グラインダー、溶接機
  • 使用資材:建設発生土、コンクリート
  • 使用保護具:フルハーネス、安全靴
  • 有資格者・配置予定者:玉掛け、足場作業主任者および氏名

日常の安全衛生活動

日常の安全衛生活動の項目は、現場で毎日行う安全行動を書きます。「やること」が見える化され、形骸化を防げます。

【記入例】

  • 朝礼でKY活動を実施
  • 重機作業前の合図確認
  • 週1回の安全パトロール
  • 新規入場者教育の実施

危険性又は有害性の特定

危険性又は有害性の特定の項目では、作業ごとに起こり得る事故を洗い出しましょう。

【記入例】

作業区分 予測される災害
高所作業 転落・墜落
重機作業 接触・挟まれ
溶接 火災・やけど

リスクの見積もり

「日常の安全衛生活動」の右側に記載するリスクの見積もりには、危険の大きさを数値化して掲載しましょう。

【記入例】

評価 点数
可能性 1:ほとんどない
2:可能性がある
3:極めて高い
重大性 1:軽微(不休災害)

2:重大(休業災害)

3:極めて重大(死亡・障がい)

見積もり 2:問題は少ない

3:少々問題がある
4:かなり問題がある
5:重大な問題がある

6:直ちに解決すべき問題がある

リスクレベル 2:対策の必要なし

3:現時点で対策の必要なし

4:何らかの対策が必要

5:抜本的対策が必要

6:即座に対策が必要

リスク低減措置内容の検討

リスクの見積もりの右側に記載する「リスク低減措置内容の検討」には、見積もったリスクに対する具体策を記入します。

【記入例】

  • 高所作業なら → フルハーネスを必須とする
  • 重機使用なら → 誘導員を〇名配置する
  • 溶接作業があるなら → 消火器を常備する

担当者・再下請会社の関係者の職名・氏名・会社名等

担当者・再下請会社の関係者の職名・氏名・会社名等の項目には、関連する作業員等の氏名等を記載しましょう。責任の所在が明確化し、事故時の対応(本人確認や連絡等)を迅速に行えます。

【記入例】

  • 現場代理人:山田 太郎(〇〇建設)
  • 電気工事:佐藤 次郎(△△電工)

元請工事業者への提出書類一覧

元請工事業者への提出書類一覧には、工事安全衛生計画書だけでなく、そのほか指定されている提出書類にチェックを入れましょう。記入漏れがあると入場停止につながるかもしれません。

工事安全衛生計画書を作成する際の注意点

工事安全衛生計画書は「出せば終わり」の書類ではありません。現場で確実に機能させたいなら、更新性・具体性・共有性の3点を意識することが重要です。特に注意すべきポイントを以下にまとめました。

  • 工程変更・人員変更があればすぐ更新する
  • 「注意する」ではなく「何を・誰が・どうするか」で書く
  • 朝礼・KY活動で必ず共有する

書類は一度作成して終わりではなく、継続的に更新しなければなりません。このとき、紙やExcelでの管理では、最新版がわからなくなりがちです。ケアレスミスによる入場停止といったペナルティを避けるためにも、クラウド管理に切り替えることをおすすめします。

工事安全衛生計画書の作成・共有をミライ工事管理で効率化しよう

工事安全衛生計画書は「つくること」よりも「現場で共有し、更新し続けること」の方が重要です。しかし実務では、Excelで作成→メール送付→現場で印刷→古い版が混在というように、最新版がどれかわからない状態ができてしまいます。

そこでおすすめなのが、アナログな現場管理をクラウド化で一新できる「ミライ工事管理」です。以下にアプリ導入の魅力を整理しました。

  • 自社のExcel書式の工事安全衛生計画書をそのままクラウド化できる
  • スマホでKY・点検・写真を入力すると、アプリ上で計画書・報告書に反映できる
  • 元請・協力会社と工事安全衛生計画書をリアルタイム共有できる
  • クラウド保存で「紙の紛失」「Excelの上書き事故」をゼロにできる

ミライ工事管理を使えば、工事安全衛生計画書をスマホ・PC・クラウドで一元管理でき、元請・下請・協力会社まで同じ最新情報を共有できます。まずは無料プランから利用してみてはいかがでしょうか。

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工事安全衛生計画書についてよくある質問【FAQ】

工事安全衛生計画書は誰が作成するの?

工事安全衛生計画書を作成するのは、原則として下請(サブコン・専門工事会社)です。自社が担当する工種・作業内容・使用機械・リスクと対策を記載し、元請に提出します。元請はそれを確認・承認し、現場全体の安全管理に反映させます。

工事安全衛生計画書は小規模工事でも必要?

小規模工事であっても原則として必要です。高所作業、電動工具、重機などを使う工事は規模に関係なく労働災害リスクがあります。元請が安全管理責任を負うため、工期や金額が小さくても提出を求められるケースがほとんどです。

まとめ|Excelのクラウド化で工事安全衛生計画書の管理を楽に


工事安全衛生計画書は「常に最新の内容を現場で共有し、実行できる状態を保つこと」が重要です。

Excelや紙での管理では、更新漏れや伝達ミスが起こりやすく、事故リスクや元請対応の手間が増えてしまいます。そこで、ミライ工事管理のようなクラウド型施工管理アプリを使えば、計画書・KY・点検・写真を一元管理でき、安全管理と業務効率を同時に改善できます。

この機会に、工事安全衛生計画書の作成や共有に負担を感じている方は、この機会に建設DXの一環としてクラウド化を進めてみてはいかがでしょうか。

 

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