安全書類施工管理アプリ現場管理 安全書類(グリーンファイル)とは?建設現場で必要な種類一覧・書き方・提出義務を解説 2026年1月22日 この記事をシェアする 建設現場で求められる「安全書類(グリーンファイル)」について、結局何が必要なのかわからない、もっと効率よく書類を整理したいと考えている方も多いでしょう。 そこでこの記事では、安全書類の概要や提出の義務、基本ルールについてわかりやすく解説します。また、安全書類の管理・提出を効率化する方法も紹介しているので、書類の管理に負担を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。 おすすめの安全書類管理アプリはこちら 安全書類(グリーンファイル)とは? 安全書類(グリーンファイル)とは、建設現場で働く人・会社・機械の安全性を証明するための一式の管理書類です。次のような目的で利用する書類が、約30種類ほどあります。 誰が現場で働くのか(作業員名簿・健康診断) その人は資格を持っているか(技能講習・特別教育) 会社として法令を守っているか(社会保険・労災) 機械や車両は安全か(点検記録・車両届) 【グリーンファイルと呼ばれる理由】 安全書類が別名、グリーンファイルと呼ばれているのは、昔から緑色のファイルに綴じることが多かったという慣習によるものです。 たとえば国土交通省は、建設業法・労働安全衛生法といった法律で、安全書類の種類である「施工体制台帳」「安全衛生管理」の整備を元請の義務として定めています。 安全書類は事故が起きたときの責任の所在と安全管理の妥当性を証明する「保険」です。工事関係者は、書類の内容や記入情報を正しく理解する必要があります。 安全書類と施工体制台帳の違いとは? 2つの違いを簡単に説明すると、施工体制台帳は安全書類の主要書類の1つです。 工事に関わる会社・技術者・役割を公式に整理する法定書類であり、安全書類のなかに施工体制台帳が含まれる構造となっています。 区分 安全書類(グリーンファイル) 施工体制台帳 位置づけ 現場の安全管理に必要な書類の「総称」 安全書類の中心となる法定書類のひとつ 作成者 主に下請が提出 → 元請が管理 元請が作成(法的義務) 法的根拠 労働安全衛生法ほか 建設業法 現場での扱い 元請が安全書類(グリーンファイル)として保管 現場に備え付け、閲覧可能な状態にするのが義務 参考:国土交通省「施工体制台帳等の作成義務」 「安全書類>施工体制台帳」という関係が成り立つため、2つの違いを正しく理解したうえで、安全書類を管理しましょう。 安全書類が「めんどくさい」と言われる理由 安全書類が面倒なのは、「量が多い」ことも関係していますが、それに加え「管理が属人化しやすい」ことが理由です。 特に中小企業や一人親方の場合、「Excel・紙・メールが混在して誰が何を管理しているかわからない」という状態が多く見られます。 「書式が元請ごとに違う」「現場ごとに情報を書き直さなければならない」といった手間がかかりやすいため、安全書類をクラウドで一元管理する形で、効率よく作成・管理する仕組みが欠かせません。 安全書類に提出義務はある? 安全書類そのものに「一律の提出義務」という法律はありませんが、施工体制台帳や労務・安全に関する書類は、法律上の提出・備付義務があるため、実務上は提出が必須だと理解しておきましょう。 ここでは、提出に関する条件や提出しない場合のリスクについて解説します。 安全書類の提出が求められるケース 原則として、元請が施工管理責任を負う工事では、規模に関係なく安全書類の提出が求められます。以下に、代表的なケースをまとめました。 建設業法で義務付けられている工事 元請が労働安全衛生の管理責任を負う工事 つまり、「元請がいない単独請負工事(自社だけで完結する工事)」以外は、すべて安全書類の提出が求められます。基本は要提出であると理解しておきましょう。 未提出・不備の場合に起こるリスク 安全書類の未提出や不備が起きると、次のようなリスクが発生します。 現場入場を止められる 作業開始が遅れて違約金・工期遅延 元請からの取引停止・評価低下 また、建設業法・労働安全衛生法に違反するため、労働基準監督署や国土交通省などから是正指導・処分を受ける点に注意してください。 実際、国土交通省の「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準」にも次のように記載されています。 ④ 施工体制台帳等の不作成 施工体制台帳又は施工体系図の作成を怠ったとき、又は虚偽の施工体制台帳又は施工体系図の作成を行ったときは、7日以上の営業停止処分を行うこととする。 引用:国土交通省「建設業者の不正行為等に対する監督処分の基準(最終改正 令和5年3月3日国不建第578号)」 経営リスクを避けるためにも、安全書類は必ず作成しましょう。 安全書類(グリーンファイル)一覧|何が必要かを種類別に解説 安全書類は「施工体制」「安全衛生」「資格・機械管理」の3系統に分けて理解すると、現場対応が楽になります。 区分 管理目的 主な法律 施工体制・労務管理 誰が・どの会社で・どの役割か 建設業法 安全衛生・教育 事故・健康被害を防ぐ 労働安全衛生法 資格・機械・持込 機械・技能の安全性を証明 労働安全衛生法 以下より3つの区分に分けて、必要書類の内容や例を紹介します。 施工体制・労務管理に関する安全書類 施工体制・労務管理に関する書類は、重層下請の防止と責任の所在を明確にするために、建設業法で求められます。 書類名 目的 施工体制台帳 元請〜下請までの体制を一元管理 施工体系図 会社間の関係を図で可視化 下請負業者編成表 各社の役割と工種を明示 再下請負通知書 再下請の存在を元請に通知 作業員名簿 現場に入る人の資格・所属を管理 建設業許可制度にあてはまる請負金額4,000万円以上(建築一式6,000万円以上)の工事や公共工事では法定義務になるため、事前に確認したうえで書類を準備しましょう。 ※施工体制台帳等は、国土交通省公式サイトの「施工体制台帳、施工体系図等」というページからダウンロードできるExcelデータだけでなく、建設キャリアアップシステム(CCUS)を用いて作成することも可能です。 安全衛生・教育に関する安全書類 労働安全衛生法では、以下の危険作業・新規入場・化学物質・火気などの管理を記録で残すことが求められます。 書類名 目的 工事安全衛生計画書 現場の安全ルールを明文化 新規入場時教育記録 初回入場者の安全教育証明 安全ミーティング報告 危険の共有と改善記録 KY活動記録 ヒヤリハットの予防 火気使用願 火災リスクの事前管理 化学物質使用届 有機溶剤・特化物の管理 上記は、事故が起きた際に「安全配慮義務を果たしていたか」を証明する一次資料です。事前準備はもちろん、日常的に記入した書類なども管理しなければなりません。 資格・機械・持込関連の安全書類 クレーン・高所作業車・溶接機・電動工具などは、資格と点検が揃っていないと違法使用になります。そのため、以下のような書類一式もまとめておくのが基本です。 書類名 目的 資格証・技能講習修了証 操作できる人かの証明 持込機械使用届 危険機械の事前申請 重機点検表 故障・事故の防止 工事・通勤用車両届 車両事故の管理 機械台帳 誰の機械かを明確化 たとえば、無資格で有資格者しか実施できない工事や操縦を行った場合には、使用者(元請)が処分対象になります。トラブルや受注終了を避けるためにも、最新の資格や機械の情報を整理しておきましょう。 安全書類の提出タイミングと現場での流れ 安全書類は「工事受注直後に準備→着工1週間前までに提出→工事中は更新」という流れが基本ルールです。 また、提出先は主に次の2つになります。 元請会社(現場監督・安全担当) 現場事務所やオンライン提出システム 特にゼネコンや大手元請では、独自のフォーマットや専用システムが使われるため、以下より紹介する情報をもとに、「いつ・どこに・どの形式で出すか」を確認していきましょう。 いつ・誰に提出する? 安全書類は「工事が決まったら元請に提出する」「着工1週間前までに書類を提出する」という2つのポイントを意識しましょう。 安全書類は、工事を受注した時点から準備を開始し、原則として着工前に元請会社へ提出しなければなりません。元請によっては専用システムおよび指定テンプレートが指定されることもあるので、手戻りを防止するためにも、受注した時点で「どの方式で出すか」を確認してください。 現場に入る前に必ずチェックされる書類とは? 現場入場時に確認される主な項目は以下です。 確認項目 書類 作業員の身元 作業員名簿 資格の有効期限 技能講習修了証・免許 健康状態 健康診断書・就労表 安全教育 新規入場時教育記録 機械の安全 持込機械使用届・点検表 ここで「資格の期限切れ」「記入漏れ」「他現場の使い回し」などがあると、その場で入場不可になる場合もあります。 工事中に「更新が必要になる」ケース 人・会社・機械が変わったら、安全書類も必ず更新が必要です。以下に、更新の例をまとめました。 作業員の追加・入れ替え → 作業員名簿 協力会社の追加 → 施工体制台帳・再下請負通知書 重機・車両の変更 → 持込機械使用届・点検表 工程変更 → 安全衛生計画書・KY活動記録 更新を怠ると、「虚偽記載」「管理義務違反」として元請が行政指導を受けるリスクがあるため注意してください。 安全書類の書き方と記入例の基本ルール(全建統一様式とは?) 安全書類の書き方で重要なのは、「誰が・どの現場で・どの作業を・どんな安全条件で行うか」を第三者が見ても分かる状態にすることです。 自己流でつくると、記入漏れや法令不足が起きやすく、元請から差し戻される原因になります。そこで多くの現場で採用されているのが、全国建設業協会が定めた「全建統一様式」です。 項目 内容 書籍名 (改訂6版・令和6年10月)全建統一様式 記載例及び解説 掲載内容 施工体制台帳、再下請負通知書、作業員名簿、工事安全衛生計画書、持込機械届、化学物質届など、安全書類(グリーンファイル)一式の記載例と法令解説 対象書類 建設業法・労働安全衛生法に基づく施工体制・労務安全関連の全建統一様式 料金(税込) 1,430円 建設業法・労働安全衛生法の要求事項を網羅した業界標準フォーマットであり、施工体制台帳、作業員名簿、再下請負通知書などが統一形式で作成できます。 元請からの指定がない場合、この様式を使うことですべての現場に通用できます。記入例も豊富なため初心者でもミスなく作成できます。 安全書類(グリーンファイル)のテンプレート・ダウンロード先 安全書類(グリーンファイル)は、元請や現場ごとに様式が指定されることが多いものの、ベースとなるテンプレートは共通しています。主な入手先は次の4つです。 国土交通省(施工体制台帳、施工体系図等) 全国建設業協会(全建統一様式) 建設キャリアアップシステム(CCUS) 元請指定のクラウドサービスなど 施工体制台帳や再下請負通知書のExcelテンプレートは、国土交通省・全建統一様式・CCUSのいずれからでも無料でダウンロード可能です。 なお、安全書類のテンプレート管理は「バラバラ」にしないのが鉄則です。もし複数のExcelデータの管理に負担を感じているのなら、後述するミライ工事管理といったクラウド管理ツールを活用するのがおすすめです。 安全書類の不備で多い典型的なミス例 安全書類は一度の不備で「現場に入れない」「是正指示が入る」などの重大トラブルにつながるため、典型的なミスを理解しておくことが重要です。以下は現場で頻発する代表的な不備例です。 記入漏れ(作業員名・現場名・工期・責任者欄など) 資格証・健康診断書の有効期限切れ 別現場の書類を流用して提出 押印・署名の抜け 最新の全建統一様式を使っていない 再下請や人員変更が反映されていない 特に多いのが、書類の流用や期限切れに気づかないケースです。作成担当者だけでなく現場全体の進行にも影響するため、プロジェクトごとに最新のものを準備しましょう。 安全書類を効率よく管理したいならミライ工事管理がおすすめ 安全書類の記載漏れや期限切れ、書式違いといったトラブルを防ぎたいなら、「ミライ工事管理」の活用が効果的です。 全建統一様式で作成している施工体制台帳や再下請負通知書などのExcelを、そのまま台帳テンプレートとして登録でき、現場でスマホやタブレットから入力・更新を行えます。 また、写真・点検表・日報と紐づけて自動で帳票を生成できるため、書類の不整合や古い様式の流用を防げます。 さらにプロジェクト単位で関係者と共有でき、協力会社も無料招待が可能です。提出ミス・確認漏れ・二重管理のリスクを削減したい方は、まず無料プランからお試しください。 iOSユーザーはこちら>> Androidユーザーはこちら>> ミライ工事管理について詳しくはこちら>> まとめ|安全書類は「現場を守るための実務ツール」 安全書類は、単なる「提出義務のある書類」や「事務作業の負担」ではなく、事故・トラブル・法令違反を未然に防ぐための重要な証拠書類です。 実際に、記載漏れや期限切れがあるだけで現場に入れない、元請から是正指示が入るといったリスクもあります。だからこそ、安全書類は「つくって終わり」ではなく、最新の状態で正しく管理・共有されていることが重要です。 テンプレートの活用やExcel管理に加え、ミライ工事管理のようなクラウド型ツールを使えば、現場と事務所が同じ情報をリアルタイムで共有できます。ミスや手戻りを減らすためにも、まずは安全書類の管理体制をグレードアップしてみてください。 この記事をシェアする ミライ工事管理の資料をダウンロード
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