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ICT施工とは?国土交通省の取り組み・現場導入の流れ・メリットと課題をわかりやすく解説

2026年1月21日

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「ICT施工って結局なに?」「現場に本当に役立つの?」と感じている施工管理者や現場責任者は少なくないでしょう。

結論から言えば、ICT施工は「測量・設計・施工・検査」をデータでつなぎ、工事のムダや属人化、人手不足を解消できる現場DXの中心技術です。
この記事では、ICT施工の概要や制度、作業内容、導入の流れをわかりやすく解説します。

ICT施工とは?

ICT施工とは、以下の技術を活用して、施工の精度と生産性を高める施工方式です。

  • 3次元測量(点群データ)
  • 3D設計データ
  • ICT建機(MG/MC)

【MG/MCとは】

マシンガイダンス(MG)・マシンコントロール(MC)の略称

たとえば、ドローン測量(写真・レーザー)で取得した点群を3D設計に反映し、そのままICT建機に投入すれば、機械が設計データにもとづいて半自動・自動で土工作業や整地を行えるようになります。

また、ドローンで定期的に定点測量を繰り返せば、最新の点群や3Dモデルの状況をもとに、施工誤差といった出来形を確認できるのも魅力です。

このように、ICT施工は、これまで人が行ってきた作業を最小限に抑え、データやそれを扱える機器だけで対応できるようにする画期的な仕組みです。

(参考:i-Construction・インフラDX推進コンソーシアム公式サイト

従来施工との違い(2D施工との比較)

3Dモデルや点群データを活用するICT施工は、従来の2D図面を用いた工事とは異なり、精度・スピード・再現性に優れています。以下に施工の違いをまとめました。

項目 従来(2D) ICT施工(3D)
測量 トータルステーション ドローン・レーザー
設計 2D図面 3D設計データ(3Dモデル)
施工 丁張り+人の操作 MG/MCによる自動制御
検査 人手計測 3D出来形管理

【丁張りとは】

建物の正確な位置・高さ・水平・勾配などの基準を設定するために設置する仮設の目印のこと(木材などを使用)

まず2D施工は、人力での作業が多いため、経験値や技術力の差によって成果が左右され、現況測量と図面の不整合が起きやすいのが課題でした。

一方、ICT施工は3Dモデルを用いてリアルな地形状況、建物状況等を把握でき、技技術的な誤差を減らしながら、整合性の高い状況把握が可能になります。

このように、1工程ごとに必要な人数を最小限に抑えられることから、人手依存を減らし、出来形のばらつきを抑えられるのがICT施工の魅力です。

ICT施工は建設業界をどう変える?

結論として、ICT施工は、建設業界が抱えている「人手不足」「品質のバラつき」「生産性」の課題を解決できる有効な手段です。

国土交通省が掲げる、建設業界版の働き方改革の取り組みである「i-Construction」では、建設現場の生産性を2025年までに2割向上させる目標が掲げられており、ICT施工がその中核を担う施策として挙げられています。

2016年から建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指し、建設生産プロセス全体の抜本的な生産性向上に取り組むi-Constructionを推進。

引用:国土交通省「i-Construction 2.0(令和6年4月)」

少子高齢化や業種の多様化といった影響を受け、建設業界の就業者数は年々減少傾向にあります。(1997年時点で685万人だった就業者数が2024年には477万人に減少)

出典:日本建設業連合会「建設業の現状|4. 建設労働」

そのためICT施工は、減り続ける建設業界の人手を補う重要な手段として、多くの現場での活用が進んでいます。

国土交通省が推進するICT施工の取り組み

国土交通省が「i-Construction」を推進したことに伴い、公共工事の発注・検査・出来形管理のルールが、ICT施工を前提とした運用へと移行しつつあります。ここでは、民間企業が押さえておきたい国土交通省の取り組みを紹介します。

ICT施工ガイドライン・基準の考え方

ICT施工は「民間企業が独自に運用するもの」ではなく、国交省のガイドラインと基準に沿って運用しなければなりません。参考として以下に、準拠すべきガイドラインや基準を整理しました。

特に公共工事では、ICT施工を行うために出来形管理要領・測量要領・電子納品基準などが詳細に定められています。

ICT施工が一般化しようとしている現在、頻繁にガイドラインが更新されているため、常に最新の情報を把握するように意識してください。

国土交通省・自治体・業界におけるICT施工の事例

ICT施工はすでに、国・自治体の公共工事で標準化が進んでいます。

たとえば、2023年度の直轄土木工事では、ICT施工の実施率が87%に達し、StageⅡ(施工データのリアルタイム活用)や自動施工の試行工事が32件実施されています。

出典:国土交通省「i-Construction 2.0の取組状況 中小建設業・地方公共団体の取組状況」

さらに、砂防・ダム・河川工事では遠隔施工を用いた試行が11件行われるなど、災害対応や危険箇所での安全確保に活用されています。

出典:国土交通省「i-Construction 2.0の取組状況 中小建設業・地方公共団体の取組状況」

また、地方では中小建設業の普及も進み、ICT施工経験割合は52.8%と半数を超えており、全国的なICT施工の普及や試行工事が次々と導入されています。

ICT施工が活用される現場と対象工種(土工・舗装・河川など)

ICT施工は、特に「形状を数値で管理しやすく」「出来形管理が重要」な次のような工種で効果を発揮します。

工種 主な対象工事 ICT施工でできること 効果
土工 切土・盛土・掘削・埋戻し 3D設計と連動してICTブルドーザ・バックホウが自動制御 丁張り不要・出来形の高精度化
舗装工 路盤・アスファルト舗装 厚み・勾配をICT建機で制御 仕上がり品質の均一化
河川工事 河道掘削・築堤・護岸 3Dで断面形状を管理 洪水対策の精度向上
砂防工事 砂防堰堤・法面整形 遠隔・自動施工と併用 危険区域の安全確保
ダム・造成 原石山・盛立・造成 大規模土量をデータ管理 省人化と工期短縮

特に、3次元測量とICT建機は、設計値と現況をリアルタイムで照合できるため、出来形管理が厳しい工種ほど、省人化と品質向上を実現しやすいのが特徴です。

なお、上記の工種における工事実施方針は、国土交通省の「要領関係等(ICTの全面的な活用)」から確認が可能です。公示基準はもちろん、積算に関するPDF資料をダウンロードできます。

ICT施工の流れと作業内容

ICT施工は「測る→設計する→動かす→検査する」をすべて3次元データでつなぐ施工プロセスが特徴です。現場のムダと手戻りを減らし、品質を数値で保証する流れを4段階に分けて紹介します。

3次元測量(ドローン・レーザースキャナ)で現況を把握

ICT施工は、最初にドローンや地上レーザースキャナで現況を3次元化することから始まります。従来のトータルステーション測量では、任意の1点ずつしか地形を把握できませんが、UAV測量などを活用すれば、地表を点群データとして面で取得し、土量や凹凸を高精度に算出できます。

3D設計データの作成とICTへのデータ変換

取得した測量データをもとに、施工用の3D設計データを作成し、ICT建機で使える形式に変換します。以下に、よく活用されるBIM/CIMソフトの例をまとめました。

  • Civil 3D(土工・道路・河川・造成設計向け)
  • Revit(建築設計向け)
  • Archicad(建築設計向け)
  • GLOOBE(建築・設備設計向け)

後述するICT建機(MG/MC)は、設計面を基準にブレードやバケットを制御するため、2D図面ではなく3Dモデルを準備することが必須です。

BIM/CIM等で作った地形モデルをベースに、建機メーカー指定のフォーマットに変換しUSBやクラウドで転送しましょう。

ICT建機による施工(MG/MC)

ICT建機では、3D設計データにもとづいて半自動または自動で施工を行います。以下に施工の実施例をまとめました。

  • 計画の高さ・座標に合わせた土工(掘削・盛り土など)
  • 3Dモデルの型枠位置に合わせたコンクリート・アスファルトの打設
  • 掘削位置や線形に合わせた河川掘削

そして、これを可能にしているのがMG(マシンガイダンス)とMC(マシンコントロール) です。

MG(マシンガイダンス)は「今の掘り方が設計と比べて高いか・低いか」を画面で教えてくれるナビのような仕組みです。一方、MC(マシンコントロール)は、その設計データに合わせて建機の刃先が自動で動くため、オペレーターが細かく操作しなくても、設計どおりの高さ・勾配で掘削や整形ができます。

その結果、ベテランでなくても、誰でも安定した精度の施工ができるようになります。

出来形管理・検査・納品

最後にICT施工では、出来形も3次元データで検証・提出できます。

たとえば、測量の際に用いたUAVや建機の施工履歴を使えば、出来形を点群や3Dモデル上で確認でき、紙の野帳や手計測が不要になります。

また、国土交通省は3次元出来形管理と電子納品を推進しているため、ARを活用した出来形検査やペーパーレス検査の実用化も進みつつあります。

ICT施工導入のメリットとデメリット

ICT施工は効果が大きい一方で、初期投資と人材面のハードルが高い点に注意が必要です。以下に、導入するメリット・デメリットを整理しました。

項目 ICT施工のメリット ICT施工のデメリット
生産性 測量・丁張り・検測が減り作業時間を短縮 初期は運用に慣れるまで時間がかかる
品質 出来形が3Dで管理されバラつきが少ない データ作成ミスがあると誤施工のリスク
人手 少人数でも施工でき省人化が進む ICTを扱える人材が不足しがち
コスト 工期短縮でトータルコストが下がる ICT建機・測量機器の初期費用が高い
公共工事 総合評価方式で加点対象になる場合あり ICT未対応だと入札で不利になる

特に気をつけたいのが、費用対効果です。ICT施工を活用することで人手不足による工期短縮や人件費の削減を実現しやすい一方で、システムや設備等の導入コストが増加しやすくなります。そこで近年活用されているのが、国土交通省や厚生労働省などから提供されている民間企業向けの補助金です。

ICT関連のソフト導入で使える「ものづくり補助金」「IT導入補助金」のほか、ICTに対応できる人材育成に活用できる「人材開発支援助成金」などが提供されているため、導入コストのデメリットを解消したい企業におすすめです。

ICT施工を導入するためのステップ

ICT施工は、いきなり全社で導入するのではなく、小さく始めて段階的に拡張する「スモールスタート」が成功のポイントです。現場の混乱や無駄な投資を防ぐため、次の流れで進めましょう。

  1. 対象工種を整理しICT施工を導入できそうか判断する
  2. ドローン測量や3D設計を外注または内製化する
  3. ICT建機は購入せず、まずはレンタルやスポット利用から開始する
  4. 小規模現場で試行導入し、検証を重ねる
  5. 検査・報告までデータ連携し、省人化を定着させる

もし規模を抑えたい場合には、一部の施工だけICT化し、残りの業務を外注化するなど、ポイントに分けてICT施工を実現していくのがおすすめです。また、ICTに対応できる人材が不足している場合には、まずICT人材の育成研修に参加することからスタートしましょう。

工事に関わる報告書作成のICT化はミライ工事がおすすめ

ICT施工では3D測量や建機制御だけでなく、工事全体を管理するための「写真・点検・工程・報告」のデジタル化が欠かせません。

そこで有効なのが、「ミライ工事管理」アプリの活用です。

ミライ工事管理では、点検表・KY・日報といった報告書を、スマホ1台で入力して帳票出力まで完結でき、クラウドで現場と事務所がリアルタイムに同期します。

報告書の書式は、自社フォーマットのExcel帳票にカスタマイズすることが可能で、協力会社にアクセス権限の共有も可能です。ICT施工の成果を確実に「記録」と「検査」に反映できるため、まずは無料プランから試してみて、小規模現場で効果を確認してみてください。

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まとめ|ICT施工で現場のDX化を実現する

ICT施工は、測量・設計・施工・検査を3Dデータでつなぎ、現場のムダ・属人化・手戻りをなくすDX(デジタルトランスフォーメーション)の中心技術です。

MG/MCによる高精度施工と、写真・帳票・工程のデジタル管理を組み合わせることで、品質と生産性を同時に向上でき、補助金や助成金を活用すれば導入ハードルも下がります。

ICT施工への対応が求められる今、早急に導入したい方は、まずは自社で活用できるICT施工のシステムやソフトを抽出することからスタートするのがおすすめです。

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