FRP防水施工管理アプリ現場管理アプリ FRP防水とは?特徴・施工工程・メリットと注意点をわかりやすく解説 2026年2月6日 この記事をシェアする FRP防水とは、ガラス繊維などで補強した樹脂(繊維強化プラスチック)を用いる防水工法です。 主にベランダやバルコニー、屋上などで採用され、軽量で高い防水性と耐久性を持つ点が特徴です。 一方で、ウレタン防水など他工法との違いや、施工工程・注意点を正しく理解していないと、施工不良や工程管理のミスにつながることもあります。 特に新人の施工管理担当者や、防水工事を初めて担当する方にとっては、「FRP防水とは何か?」「どんな流れで施工されるのか?」を体系的に押さえておくことが重要です。 本記事では、FRP防水の基本的な定義から、施工工程、メリット・デメリット、施工時の注意点までをわかりやすく解説します。 あわせて、FRP防水工事の工程管理や施工記録を効率化する方法についても紹介します。 FRP防水とは?基本的な特徴と用途 FRP防水の定義と仕組み FRP防水とは、ガラス繊維と樹脂を組み合わせて防水層をつくる防水工法です。 ベランダやバルコニーの床に、ガラス繊維でできたシートを敷き、その上から液体状の樹脂を塗り広げていきます。樹脂が時間とともに固まることで、床の表面に一体化した防水層が完成します。 この防水層の特徴は、非常に硬く、丈夫に仕上がることです。雨水が染み込まないだけでなく、人が歩いたり物を置いたりしても傷みにくく、長期間にわたって防水性能を維持できます。住宅のベランダのように、日常的に使われる場所でも安心して採用できる工法です。 また、FRP防水でつくられる防水層は、見た目の印象に比べて軽量です。そのため、建物への負担が小さく、特に木造住宅との相性が良いとされています。重さを抑えつつ、しっかりと防水したい場所で選ばれやすい理由の一つです。 一方で、防水層が硬く仕上がるということは、床の状態の影響を受けやすいという意味でもあります。床に凹凸や傷みが残ったまま施工すると、防水層にひび割れなどの不具合が出る可能性があります。そのため、FRP防水工事では、施工前の床の状態確認や下地処理が特に重要になります。施工管理を担当する場合は、「FRP防水は下地の良し悪しが仕上がりに直結する工法」であることを意識しておく必要があります。 FRP防水の主な施工箇所・用途 FRP防水が最も多く使われているのは、戸建住宅や集合住宅のベランダ・バルコニーです。これらの場所は、雨や紫外線の影響を直接受けるうえ、洗濯物を干したり、人が出入りしたりと、日常的に使用されるケースが多くなります。そのため、防水性能だけでなく、耐久性や施工後の使いやすさも求められます。 FRP防水は、施工期間が比較的短く、施工後すぐに歩ける状態になる点も特徴です。住みながらの改修工事でも影響が少なく、住宅用途に向いた防水工法といえます。 このほか、庇(ひさし)や外部階段、屋上の一部などで採用されることもあります。ただし、建物全体の屋上など、施工面積が広い場所や、建物の動きが大きい構造では、FRP防水が適さない場合もあります。そのようなケースでは、より柔らかく、動きに対応しやすい別の防水工法が選ばれます。 施工管理の立場では、「FRP防水は万能な工法ではない」という前提を持ち、施工箇所の広さ、床の状態、建物の構造などを踏まえたうえで、FRP防水が適した選択かどうかを確認することが、品質確保につながります。 出典:FRP防水材工業会HP FRP防水の施工工程と管理ポイント FRP防水の施工工程(下地処理〜トップコート) FRP防水工事は、工程の順番と一つ一つの作業精度によって、仕上がりが大きく左右される工法です。 施工管理担当者は、「何をしているか」だけでなく、「なぜこの工程が必要なのか」を理解して現場を見る必要があります。 FRP防水の主な施工工程は、次の流れで進みます。 床面の清掃・調整 下塗り材の塗布 ガラス繊維シートの設置 樹脂の塗布 仕上げ材の塗布 最初の床面調整では、ゴミやホコリの除去だけでなく、床の状態確認が重要です。ここで凹凸や傷みを見落とすと、後の工程で不具合が発生しやすくなります。 「防水層は最後にきれいに仕上げれば何とかなる」という考え方は、防水工事全般において注意が必要です。 特にFRP防水は、防水層が硬く仕上がるため、下地や途中工程の不備を後から修正しにくい工法です。そのため、工程の一つひとつを丁寧に確認することが、品質確保に直結することを覚えておきましょう。 下塗り材の工程は、防水層が床にしっかりと定着するかどうかの決め手となります。 塗り残しやムラがあると、完成後に剥がれや浮きが発生します。 そして、ガラス繊維シートと樹脂を施工する工程では、防水層の強度が決まります。 この工程は見た目以上に繊細で、作業の丁寧さがそのまま品質に表れます。 最後の仕上げ材は、防水層を紫外線や摩耗から守る役割を持ちます。 ここまでの工程が適切に行われていなければ、仕上げだけで品質を補うことはできません。 出典:FRP防水材工業会資料(建築学会・JASS8防水工事 標準仕様) 施工管理で注意すべきポイント FRP防水工事の施工管理で特に重要なのは、「工程を止める判断ができるかどうか」です。 例えば、次のような場面です。 前の工程が十分に終わっていない 天候や湿度の条件が悪い 施工状況に違和感がある このような場合、工程を進めること自体がリスクになります。 FRP防水は、他の防水工事に比べて施工の判断が短時間で求められる工法です。そのため、「急げば終わる」という空気が生まれやすくなります。しかし、工程を急いだ結果、防水層に不具合が起きれば、手直しには大きな手間がかかります。 また、施工中に樹脂特有の臭いが発生するため、周囲への配慮が欠かせません。 特に、居住中の住宅や集合住宅では、居住者の生活への影響や近隣からの苦情リスクを考慮しましょう。 例えば、以下のような点は事前に確認・判断しておきたいポイントです。 居住者が在宅する時間帯を避けて作業できるか 換気が十分に確保できる環境か 窓や給気口の位置に影響が出ないか 事前説明や掲示などの周知が行われているか これらは、作業員が現場で即座に対応するだけでは限界があります。 どの工程をどこまで進めるか、臭いが出る工程を把握したうえで工程を組み直したり、状況によっては作業を一時的に止める判断をしたりすることも、品質管理と同じくらい重要な管理業務といえます。 施工管理として意識したいポイントは次のとおりです。 各工程が完了しているかを目で確認する 写真で施工状況を残す 違和感があれば、その場で止める FRP防水工事では、「問題が起きてから対応する」のではなく、「起きそうな段階で止める」ことが品質管理につながります。 出典:双和科学産業株式会社資料 FRP防水のメリット・デメリット FRP防水の特徴について、施工管理や工法選定の判断に使いやすいよう、メリット・デメリットを整理して確認します。 FRP防水の主なメリット 防水層が丈夫で摩耗に強い 人の出入りが多いベランダやバルコニーでも、傷みにくい防水層をつくりやすい。 施工後すぐに歩行できる 工程がスムーズに進めば、工期を短く抑えやすい。 比較的短工期で施工できる 住みながらの改修工事でも影響を抑えやすい。 軽量で住宅用途に向いている 木造住宅など、構造への負担を抑えたい建物と相性が良い。 FRP防水の主なデメリット 下地の状態に仕上がりが左右されやすい 床の凹凸や傷みがあると、不具合につながりやすい。 後からの修正がしにくい 施工途中の判断ミスが、そのまま完成後の不具合になることがある。 施工中に臭いが発生する 居住者や近隣への配慮、工程調整が必要になる。 施工者の技量差が出やすい 作業の丁寧さが、防水層の品質に直結する。 メリットとデメリットは表裏一体であり、施工管理担当者は、メリットだけを見るのではなく、デメリットを理解したうえで工法として適切かを判断する必要があります。 参考:日本建築材料協会資料(建物の保全における塗膜防水の役割) 他工法との違い 防水工事には、FRP防水のほかにもウレタン防水やシート防水などの工法があります。 ここでは、比較されやすいFRP防水とウレタン防水を中心に整理します。 FRP防水とウレタン防水の主な違い 比較項目 FRP防水 ウレタン防水 防水層の硬さ 硬い 柔らかい 下地の影響 受けやすい 比較的受けにくい 施工スピード 早い やや時間がかかる 向いている面積 小面積 広面積 向いている用途 ベランダ・バルコニー 屋上など FRP防水は、短工期で確実な防水性能が求められる小面積の施工に向いています。 一方、ウレタン防水は、防水層が柔らかいため、気温差や振動による建物のわずかな動き(伸び縮みや変形)に対応しやすい工法です。 施工管理の立場では、「どの工法が優れているか」ではなく、施工箇所の条件・面積・下地状態に対して、どの工法が適しているかという視点で工法を整理しておくことが重要です。 参考:公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編) FRP防水工事における工程管理の考え方 RP防水工事は工程がシンプルな一方、下地や材料の状態、天候など、その場での判断が品質に影響しやすい工事です。現場判断を前提とする以上、その結果を後から確認できる形で残すことが重要になります。 工程ごとの状況や是正内容を記録・共有できれば、品質のばらつきや認識のズレを防ぎやすくなります。こうした管理方法の一つとして、クラウド型の施工管理ツールがあります。 ミライ工事管理では、FRP防水工事の工程ごとの施工状況を写真とあわせて記録し、是正指示や完了状況を時系列で整理できます。現場で入力した内容は事務所や関係者とも共有しやすく、紙や口頭での確認作業を減らすことができます。現場判断を前提とした工事において、記録と管理を整理する手段の一つとして参考になるでしょう。 この記事をシェアする ミライ工事管理の詳細はこちら
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