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左官工事とは?仕事内容・施工の流れ・仕上げ別の管理ポイントを新人施工管理向けに解説

2026年2月6日

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左官工事は、建築現場において仕上がり品質を左右する最終工程のひとつです。しかし、「左官って結局どこまで管理すればいいの?」「塗装との違いがあいまい」「不具合が出たときの原因が特定できない」と悩む人も多いでしょう。

そこでこの記事では、左官工事の仕事内容・施工の流れ・仕上げ別の管理ポイントを、新人施工管理向けに体系的に解説します。

左官工事とは?【読み方:さかんこうじ】

左官工事(さかんこうじ)とは、モルタルや仕上げ材を塗り付け、壁・床・天井などの表面を形成・仕上げる工事です。

単なる「塗る作業」と思われがちですが、実際には、次のポイントが仕上がりにつながるため、建築物の品質を保つ重要な役割があります。

  • 下地条件
  • 材料配合
  • 施工手順
  • 乾燥環境

国土交通省の「公共工事標準仕様書(建築工事編)」では、左官工事について、材料の品質、所定の塗厚、急激な乾燥防止、施工時の気温条件、下地の違いによるひび割れ対策などが細かく規定されています。ここから、左官工事は下地条件や施工環境の管理が重要な工種だとわかります。

そのため、施工管理を行うなら新人であっても、「職人任せ」にせず、工程と品質の考え方を押さえることが必須です。

左官業とは?

左官業は、左官工事を専門に請け負う職能・業種のことを指します。

左官業を営む職人たちは、モルタル・漆喰・珪藻土などの無機系材料を現場で調合・施工する技能職です。左官を生業とし、以下の考えのもと左官工事を実施します。

  • 下地条件を最優先する
  • 材料は現場条件に合わせて調整する
  • 塗り厚と工程を守ることが品質につながる
  • 乾燥・養生も施工の一部と考える
  • ひび割れ・浮きを「予測して防ぐ」
  • 仕上がりは見た目だけでなく耐久性を重視する

そのため施工管理側としては、左官工事について「何を確認すればよいか」「どこで指示を止めるべきか」を理解することが重要です。

左官工事と塗装工事の違い

左官工事と塗装工事は、材料・目的・管理ポイントが異なる工種です。以下に比較表を掲載しました。

項目 左官工事 塗装工事
工事の目的 下地・仕上げ面そのものを形成する 色・保護・機能を付加する
主な材料 モルタル、漆喰、珪藻土、プラスター等 塗料(アクリル、ウレタン等)
下地の影響 非常に大きい(吸水性・材質差) 比較的小さい(下地処理で吸収)
工程管理 一次・二次など工程分割が前提 下塗り・中塗り・上塗り
管理の難易度 高い(環境依存が大) 比較的管理しやすい

つまり、左官工事は、仕上げ面を「作る工事」です。一方、塗装工事は、完成した面に「性能をのせる工事」だと言えます。

そして、新人施工管理がミスとしてやりがちなのが、「塗装と同じ感覚で左官工程を詰めてしまうこと」です。後から浮き・ひび割れが発生し、是正工事につながるケースも少なくないため注意が必要です。

左官工事の主な施工内容と仕上げ種類

左官工事は、用途や下地条件に応じて複数の施工内容・仕上げ方法を使い分ける工種です。

一口に左官工事といっても、モルタル塗り、プラスター塗り、塗り壁仕上げ、床や外構の施工など、目的と要求性能によって施工内容が明確に分かれています。

モルタル塗り仕上げ

モルタル塗り仕上げは、コンクリートやコンクリートブロック下地に対し、セメントと細骨材を主材料としたモルタルを塗り付ける左官工事の基本工法です。

施工では下塗り・中塗り・上塗りなど複数工程が前提になります。1回の塗厚や放置期間を守らないと、ひび割れや浮きの原因になるため注意が必要です。

そのため施工管理では、下地状態と工程管理を特に重視しなければなりません。

コンクリート金鏝(かなごて)仕上げ

コンクリート金鏝仕上げは、打設後のコンクリート表面を金鏝で押さえ、平滑で均一な仕上がりに整える工法です。

床や土間などで多く用いられ、表面精度(滑らかさ)がそのまま使い勝手や耐久性に影響します。

なお、施工管理では、コンクリートの水引き状態を見極めるタイミング管理が重要で、押さえ不足や過度な押さえは表面不良の原因になります。仕上げ精度は後工程で是正しにくいため、施工中の立会い確認が欠かせません。

塗り壁仕上げ(漆喰・珪藻土・土壁)

塗り壁仕上げは、漆喰・珪藻土・土壁などの材料を用いて意匠性や調湿性を持たせる左官仕上げです。素材は、以下のポイントを比較したうえで選ばれます。

  • 調湿性
  • デザイン性
  • メンテナンス性

そして施工管理では、下地条件の確認と、急激な乾燥を防ぐ養生の指示が重要になります。見た目の仕上がりだけでなく、施工環境や工程管理が品質を左右するため正しい管理が不可欠です。

外構・土間・補修工事

外構・土間・補修工事は、建物周辺や床面の仕上げ、既存部の不陸や欠損を修復する左官工事です。新築だけでなく改修工事でも多く用いられており、下地状況が案件ごとに異なります。

施工管理では、既存下地の状態確認と、使用材料・施工範囲の整理が重要です。部分施工が多いため、仕上がりの段差や色差が出ないよう、事前の打合せと指示が欠かせません。

左官工事の施工の流れ【工程順】

左官工事を正しく管理するために、ここでは、以下の工事の基本的な流れを工程順に整理します。

  • 下地確認
  • 養生・段取り
  • 下塗り → 養生
  • 中塗り → 養生
  • 上塗り
  • 仕上がり確認

【ステップ1】下地確認・調整

まずは左官を行う下地の状態を確認し、必要な調整を行います。以下にチェックポイントをまとめました。

  • 不陸
  • 汚れ
  • ひび割れ
  • 吸水状態

左官工事は下地の影響を強く受けるため、下地不良を残したまま施工すると、浮きや剥離が発生しやすくなります。施工管理では、補修や下地調整が完了してから次工程へ進める判断が重要です。

【ステップ2】養生・段取り

下地を確認した後は、周囲を汚損しないための養生と作業段取りを行います。

左官工事は材料の飛散やこて跡が出やすいため、近接部材や仕上げ面の養生が欠かせません。また、材料置き場や練り場所を整理し、作業動線を確保することで、施工ミスや手戻りを防ぎます。

【ステップ3】塗り作業(下塗り・中塗り・上塗り)

塗り作業は、複数工程に分けて行うのが基本です。

一度で仕上げようとせず、下塗りで下地を整え、中塗り・上塗りで精度を高めます。なお、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)では、以下のポイントを抑えて施工することが示されています。

  • 左官工事に用いる材料は、所定のものであること
  • 左官工事の仕上り面は、所定の塗厚を有し、所要の状態であること
  • 塗り付けた材料には、有害な浮きがないこと

また施工管理では、塗厚や工程間隔を確認し、無理な工程短縮を行わないことが重要です。

【ステップ4】乾燥・養生期間

塗り作業後は、適切な乾燥と養生期間を確保しましょう(塗り作業の素材によって養生期間が異なる)。

なお、急激な乾燥や低温環境は、ひび割れや接着不良の原因になります。必要に応じてシート掛けや水湿しを行い、次工程に進める状態かを見極めましょう。

【ステップ5】仕上がり確認・手直し

最終工程では、仕上がり面の平滑性や不具合の有無を確認しましょう。

浮き、ひび割れ、塗りムラなどをチェックし、必要に応じて手直しを行います。ここでの確認を怠ると、後工程や引渡し後の是正につながるため、施工管理として必ず立会い確認を行うことが大切です。

左官工事は何日かかる?工程感覚の目安

左官工事にかかる日数は、施工面積や仕上げ仕様によって異なりますが、下塗り・中塗り・上塗りと養生期間を含めて3日〜1週間程度が一般的な目安です。

実作業は1〜2日で終わる場合でも、工程間の乾燥・養生を省略すると、ひび割れや浮きの原因になります。施工管理では「作業日数」ではなく、「養生を含めた工程日数」でスケジュールを組むことが重要です。

左官工事の施工管理で押さえるべき品質管理ポイント

左官工事の品質は、施工管理者が「どこを管理するか」を正しく理解しているかで変化します。

ここでは、新人施工管理が最低限理解しておきたい品質管理の要点を整理します。

下地不良が仕上がりを壊す理由

左官工事では、下地不良があると仕上がりが成立しません。

特に、下地が次のような状態のまま施工すると、モルタルや仕上げ材が均一に付着せず、浮きや剥離、ひび割れの原因になります。

  • 不陸
  • 汚れ
  • 吸水ムラ

また、仕上がってから不具合が出るケースも多く、原因が下地にあると是正は困難です。トラブルを回避するためにも、塗る前の下地状態を確認し、調整が完了してから施工に進みましょう。

乾燥時間と養生を甘くしてはいけない理由

左官工事では、乾燥と養生も施工の一部として管理することが重要です。

塗り終わった直後は見た目が完成していても、内部は十分に安定していません。その結果、乾燥不足や急激な乾燥が起きると、ひび割れや接着不良の原因になります。

工期が短い工事の場合、つい工程を優先し養生期間を短縮することもありますが、後工程や引渡し後に不具合が発生するかもしれません。手戻りやトラブルを回避するためにも、施工管理者は、養生完了を確認したうえで次のステップへ進みましょう。

左官工事の出来高目安(工程感覚として)

左官工事の出来高は、数量より工程感覚で把握しましょう。

複数ある建築工事のなかでも、左官工事は単純に面積や数量だけで進捗を判断しにくい工種です。下塗り・中塗り・上塗りと工程が分かれているため、養生期間も含めて初めて完了と考えるのが良いでしょう。

そのため施工管理では、「どこまで塗ったか」ではなく、「どの工程まで完了しているか」で出来高を判断することが重要です。この感覚を持つことで、無理な工程の調整を防げます。

左官工事の工程・指示・資料を効率化しよう

左官工事に限らず多くの工事では「記録・連絡・判断」に関連する、次の作業が日常的に発生します。

  • 下地確認の記録
  • 塗り工程ごとの写真撮影と整理
  • 養生期間の共有
  • 出来高の判断
  • 職人や協力会社への指示出し

このとき、デジカメによる撮影や紙のチェックシートによる施工状況確認、電話や口頭指示に頼っていると、情報が散らばり、確認漏れや伝達ミスが起こりやすくなります。

こうした報告書や情報共有の管理負担をまとめて解決したいなら、「ミライ工事」の活用が有効です。

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まとめ|左官工事を理解すると現場が安定する

左官工事は仕上げの良し悪しだけでなく、下地確認や工程管理、養生判断が品質を左右する工種です。

施工管理の流れやチェックポイントを押さえれば、手戻りや是正工事を防げます。管理に不安がある場合は、ツールを活用して仕組み化するのも有効ですので、この機会に建設DXに取り組んでみてはいかがでしょうか。

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