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軽天屋とは?仕事内容・大工との違い・年収・将来性までわかる施工管理者向けガイド

2025年9月2日

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建物の内装工事で欠かせないのが「軽天屋(けいてんや)」です。

この記事では、軽天屋の具体的な仕事内容や大工との違い、扱う材料である「LGS」の特徴、さらには年収・単価・将来性まで幅広く解説します。

軽天屋とは?

軽天屋とは、天井や壁の下地として使われる「軽量鉄骨(LGS)」を施工する専門業者のことです。ボード貼りの前段階となる下地づくりを担う職人であり、精密な施工を求められます。

軽量鉄骨(LGS)とは?

LGS(軽量鉄骨)とは、主に亜鉛メッキされた鋼板をロール成形してつくられている建材です。木材や重量鉄骨と比べて軽く、火災や経年劣化、シロアリ被害に強いのが特徴です。

軽天工事は戦後の高度成長期、建築技術の進化とともに普及しました。以前は木材による下地が主流でしたが、火災や経年劣化への耐性、施工効率を高めるために、より軽量で加工しやすい「軽量鉄骨(LGS)」の使用が拡大し、特に1970年代以降のオフィスビル建設ラッシュでは、軽天工事のニーズが一気に高まりました。

軽天屋と大工の違いは?

軽天屋と大工は、どちらも建設現場で内装に携わる職種ですが、次のような違いがあります。

軽天屋 大工
使用素材 軽量鉄骨(LGS) 木材(柱・梁・合板など)
主な作業内容 天井・壁の下地づくり 木造建築の構造・造作
現場の種類 ・オフィス
・商業施設
・RC造住宅 など
・木造住宅
・集合住宅
・リフォーム現場 など
工具類 ビス打ち機、レーザー、レベル等 ノコギリ、カンナ、釘打ち機など

軽天屋は、鉄骨を用いる強固な建物(RC系など)の内装工事に関わる職種です。ボード貼りや天井仕上げとの連携が求められるため、ゼネコンや内装工事会社と連携しながら業務を進行します。

一方で大工は、基礎から棟上げ、内装仕上げまで木材ベースで幅広く対応する職種です。つまり、軽天屋は「鉄骨下地のプロ」、大工は「木造建築の総合職」であるため、すみ分けの違いに注意してください。

軽天屋の工事内容

軽天屋の仕事は、主に天井や壁の「下地」をつくる作業です。

ここでは、工事内容の全体像として軽天工事の流れ、対象となる建物、施工時の注意点について解説します。

軽天工事の流れ(墨出し→下地組み→ボード貼り前まで)

軽天工事は、設計図面をもとに「位置を示す墨出し」からスタートし、LGSでの下地組み、そしてボード貼り前の確認工程までが主な流れです。

まず墨出しは、基準の設定として現場の床面・天井面に寸法線を引いていきます。レーザー墨出し器や水準器を使うのが一般的であり、図面通りの正確な墨出しが欠かせません。

続いて、下地組みではLGSを用いつつ、ランナーを床・天井に固定し、スタッド(柱材)を一定間隔で組みます。水平・垂直・寸法精度が重要であり、ズレを防ぐため、公差は±1〜2mm以内に収めます。

最後に、ボード貼り前のチェックとして、次のポイントを確認していきます。

  • 電気・空調などとの取り合い(関係者確認)
  • 配線や開口の確保
  • ビス位置

軽天屋の工程は「見えなくなる部分」を扱うため、精度と調整力が重要です。施工管理者は工程管理表と照合しつつ、墨出し〜下地完了までを段階ごとにチェックしましょう。

軽天屋が関わる建物の種類(オフィス・商業施設・マンションなど)

軽天屋の工事は、住宅はもちろん次の建築物が施工対象です。

建物の種類 特徴・施工上の注意点
オフィスビル OAフロア対応・防音・配線開口調整
商業施設(SC) 短工期・夜間施工・意匠性のある曲線施工も対応
賃貸マンション 同一間取りの反復施工・遮音間仕切りが多い
病院・クリニック 天井吊り下げ構造やレントゲン室の鉛ボード仕様
ホテル・宿泊施設 防火区画、曲線デザインなど施工難度が高い

なお、建物の用途に応じて、設計・工程・材料の手配が変化します。軽天屋は、作業範囲や施工時間を配慮して工事しなければなりません。

施工管理者が工事で注意すべきポイント(寸法精度・工程管理・安全)

軽天工事の効率性・安全性を満たすためには、次のポイントを考慮して段取りを決めることが重要です。

項目 注意点
寸法精度 ・わずかなズレがボードの浮きや隙間に直結する
・レーザー機器による再測定をしないとボードの設置に波及する
工程管理 ・空調、電気、給排水などとの干渉が起きると再施工が必要になる
・軽天施工後すぐにボード貼りに移るため関係者ごとの連携が欠かせない
安全対策 ・脚立や足場など高所作業があるため転倒や転落のリスクあり
・LGS端材や鋭利部分でのケガに注意する

ひとつのミスが、ミスが後工程に大きく影響します。施工管理アプリやExcelなどを用いて、安全チェックリストなどを作成・管理するのがおすすめです。

チェックリストのクラウド化はミライ工事管理がおすすめ(詳しくはこちら)

軽天屋の給料・単価・年収のリアル【儲かる?】

厚生労働省が公開している「職業情報提供サイト job tag」によると、内装工を担う「軽天屋」の年収は平均453.4万円(全年齢)です。※2025年現在

また、平均年収のピークは45〜49歳時点の532万円であり、国税庁が公開している「平均給与」の全体平均461万円よりも高い値を示しています。

なお、上記の全年齢における平均年収を給与換算すると月額37.8万円(賞与込み)です。加えて、月あたり20日8時間の勤務と考えると、時給単価2,363円と計算できます。

軽天屋はきつい?偉そう?よくある噂と現場の実態

軽天屋という職業について、インターネット上では「きつい」「偉そう」「上下関係が厳しい」といったネガティブな噂も少なくありません。

軽天 内装工事について
こんばんは、質問させてもらいます。
現在、軽天+ボード貼りの仕事をしようと思っています。
ネットで軽天の画像を見ていると凄く複雑な箇所が多数ありました。
未経験から初めて、すぐに慣れる様な仕事なのでしょうか?

引用:Yahoo!知恵袋より

では、それらは実際どうなのでしょうか?

結論として、軽天屋の仕事は「体力」「精度」「スピード」が求められるため、確かに楽な仕事ではありません。ただし、現在は労働環境の改善や安全配慮が進んでいることから「過酷・危険」という印象は過去のものになりつつあります。

これは多くの工事職に共通するため、噂に惑わされず実態を見て判断することが大切です。

軽天屋になるために必要な資格・求人の探し方

軽天屋に必須の国家資格はありませんが、次のような資格・講習への参加・登録が推奨されます。

名称 内容
フルハーネス型安全帯使用作業特別教育 高所作業ありの現場で必須
足場の組立て等作業主任者技能講習 足場設置・解体が伴う場合に必要
アーク溶接等特別教育
(各企業や自治体で開催)
補強材の切断加工などがある場合
建設キャリアアップシステム(CCUS) 能力や経験をデジタル管理

また、軽天屋の求人を探す際には、建設工事に特化した求人サイト・エージェントを利用するのがおすすめです。そのなかでも施工管理アプリを導入している企業は、業務が整理されており、働きやすい傾向があります。

報告業務で悩んでいませんか?施工管理アプリで効率化

軽天屋は、連続する工事業務の工程や出来高をタイムリーかつ正確に把握することが重要です。しかし、報告が紙や口頭中心であったり、写真が情報が現場で整理されていなかったりすると、無駄な連絡やトラブルにつながります。

もし、報告・日報・写真管理のミスを減らしたいなら、「施工管理アプリ」の活用が有効です。特に軽天工事のように日数・工程・出来高の記録が重要な工事では、クラウド管理を活用することで、業務全体の効率化を実現できます。

本記事を記載しているミライ工事でも、施工管理アプリの「ミライ工事管理」を提供しています。無料プランやトライアルもございますので、この機会に是非利用してみてはいかがでしょうか。


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